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MELニュース(2025年12月/第93号)に掲載されました

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定置網漁業は日本が世界に誇れる漁業

 表題にこの表現をしたいと思い、世界に定置網の様なサステナブルな漁法がどれだけ存在するだろうと調べてみました。すると世界的にも定置網的漁法は存在しますが、日本の定置網漁業は漁法と資源管理と地域共同体が一体化した生産システムとしている点で、世界において体系化・高度化された完成度の高い漁業の一つであることがわかりました。まさに北海道知事許可の秋鮭定置網漁業は100年の歴史があり、北海道の漁業者・民間増殖団体・研究機関・行政が一体となってふ化放流事業でサケ資源の維持安定に取り組み、加工流通と結びついた産業です。

 近年の温暖化の影響で冷水系の魚である鮭の資源が厳しい局面に立たされています。こんな状況な時こそエコラベルを通じて秋鮭定置網漁業が資源を持続的に利用するために様々な取り組みしていること、漁法自体が地球にやさしいことを生活者の皆様に発信し、応援してもらうことが大事であると思います。

 当社が事業を展開している北海道北オホーツク地域は、流氷に育まれた肥沃な海において輪採制種苗放流の帆立漁業、資源保護のために許容漁獲量制度を実施している毛蟹篭漁業、そして人工ふ化放流事業と共に持続してきた秋鮭定置網漁業が主力漁業として資源管理型漁業が実践されています。これらの漁業にもMEL認証が広がれば、より加工流通業者の関心を高め、この地域のブランド作りに貢献するのではと思っています。

 当社のMELへの取り組みは2012年に親会社である藤本漁業部が小型定置網漁業と秋鮭定置網漁業で生産者段階認証を、オホーツク活魚が流通加工段階認証を取得しました。さらに2014年には、北海道定置漁業協会宗谷支部の秋鮭定置網漁業が生産者段階認証を、枝幸水産加工業協同組合が流通加工段階認証を取得してくれました。
 私たちが認証を受けた目的は、季節ごとに回遊してくる様々な魚種が生きたまま漁獲され、鮮度保持がし易く、漁場が港から近く回遊してきた魚を待ち受けて獲る環境に負荷をかけず海と資源にやさしい定置網漁業の素晴らしさを生活者の皆様に知ってもらい、資源管理への取り組み、資源の有効活用への取り組みを応援してもらいたいと思ったからです。
 また、MELは生産者と加工流通業者が連携して取り組むことが重要であり、一体となってこの地域の水産ブランドを発信する契機にもなり得ると考えたからです。その想いは今も変わりません。

 『多様性豊かな日本の海の恵みを世界へ』を掲げるMELの活動に、各地の定置網漁業で漁獲されるローカルな魚種はまだまだ貢献できると感じています。北海道北部で漁獲される寒冷系のエイの仲間カスベも資源が安定していて産業有用種と思われる魚種です。各地のローカルな魚種にも資源評価の調査研究がなされ、新しいMELを通じて地域の魚達も世界に向けて適正に活用され、水産業に携わる皆様に恩恵がもたらされることに期待しています。

藤本漁業部 代表
株式会社オホーツク活魚 代表取締役
藤本 信治

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